はるのぶのつれづれ

幼女の子宮で泳いでいた頃の記憶

ひとりごとならべ(2009年12月 その5)

「あまり告発口調になるな。」
「恋愛の誇示はうんざりする。」
「ネットは私の喪男を引き立ててくれる。」
「そういう人間というのは、肉体しか自慢の種がない。」
「体を鍛えれば本当にコンプレックスはなくなるのか。」
「カネを渇望すればやりがいは問わない。もちろん働こうが構わない。」
「趣味は鳥の放し飼いです。あの鳥もこの鳥も、この町の鳥はぜんぶ僕のものです。」
「『ああ、太宰までモテアイテム化とは。』『ゲバラシャツなんて、とっくにファッションですが何か。』」
「小説は周りから攻めていく表現技法で、詩は魂をめがける。」
「正直なところ、恋愛小説は作家の逃げだと思う。今の社会は人間が出会わないほうが自然なくらいだから。それでも社会は動いている。その謎が恋愛小説では描けないだろう。」
「しいて言えば、ゲゼルシャフトだけで社会は動く。ゲマインシャフトだけ描いても、社会の胎動に肉迫できないと思うわけ。」
「そういう意味で、非モテの悩みと、非正規の悩みは微妙に違っている。求めているものが違うから。片方は肉体のつながり(えっ、心の?)、一方は労働力の販売先。」
ゲゼルシャフトにかろうじてくっついているのが現代人の標準的な姿だ。それを描かないと。」
「ほんとうは美少女ではなく、美処女が好きなのだ。非処女は年上だけで結構。」
「『非処女でも○○ステルなら付き合いたいわな。』『もちろんもちろん。』」
「私は檀家。浄土宗(西山派)の寺院から数珠を頂いた。これで心を落ち着けられるか。」
「傷を癒すために肉体を求める。それは犯されたり、肉体を否定された過去を消し去るための行動だろう。」
「『お前、普通にしゃべってるよりセックスのんが上手いからな』とか言ってんだろな。」
「平等から逆算される社会的手段がない。社会を平等にする技術がない。だから不平等の再生産を批判することが無意味になる。」
「モテと喪は話が通じない。モテはこの社会的手段の不存在に甘えているのではないか。」
喪男を馬鹿にするのは単なるセックス自慢に等しい。そして思い知らされる。恋愛の本質はセックスなのだと。だが、ひっかかる。喪男を馬鹿にする奴らは、愛に値する恋愛をしたことがないだけではないか。だが彼女がいたことのない以上、このことを確かめることはできない。だから外見への罵倒や喪男への偏見が内面化させられることに、なかなか抗しきれないでいる。」
「寂しさの半分は欲望でできている。だから寂しすぎるということはありえない。ただ、他者から言われると『あんた、代わってみるか』と言い返したくなる。」
「女友達が欲しいかもしれない。処女かどうかはどうでもいい。恋愛も念頭にない。さっぱりした異性と知り合いたい。」
「地方の進学校は恋愛の雰囲気が皆無で、恋愛デビューは大学に入ってからになる。そこでつまずいたことが今も引いているのだろう。当時はつまずいたという意識さえなかった。」
「大学時代は非モテでも気にならなかった。法学部ということもあり、女性が極端に少なかったから浮いた話はあまり聞かなかった。(浮いた話は表面化しなかった。)今振り返れば、そういう奴らでツルンでいただけかもしれない。」
「あの時の私は他人のことを全く気にしていなかった。それは喪男で人生を終えることを予感していなかったことと、他にするべきことがあるような一種の目的意識を持っていたからだ。この目的が結局何だったのか、未だに分からず、しかも歳ごとにおぼろげになってゆく。あれは幻視だったのだろうか。」
「そういう意味では私にとって非モテは最重要の問題ではない。先の目的意識が形をとらず(それは就職しなかったことと関連があるようだ)、希薄化したことが本当の最重要課題だ。もちろん学生などの頃から肉体の序列化に起因する屈辱を味わってこられた方がたにとって、非モテは極めて重要な問題だ。」
「俺も肉体のことばかり考えてる。昔のような余裕はなくなった。喪男ではあったが、どこか充実していたのが大学生活だった。女性には縁がなかったが、新しいものとの出会いが期待できた。さて、今ではどうか。」
「肉体の序列化への怒りは当然だ。しかし肉体の問題にこだわりすぎることは、他に誇りうるものがないと告白しているに等しいかもしれない。ただ自らの空虚さが喪の人間から一方的に表出されることは、もちろん理不尽だ。魅力のない人間が、特定の外見を念頭に語られることは、外見の非対称性の捨象としか言いようがない。」
「実は童貞では二次元が究めにくい。三次元への未練があるから。一生童貞でもいいという(もしくはこれ以上セックスをしないという)覚悟を伴ってはじめて二次元への参加を許されるように思う。そういう点で異性経験者は有利だ。もはや未練がないから。」
「処女膜のあった場所から彼女の過去がのぞき見える。今まで付き合った男の数々。その間、ずっと童貞。」
「否定を静かに聞き流しながらどうやって切り返すか。怒りすぎて分かったが、ただの怒りは効率が悪い。感情を殺して静かに怒る。まだまだその域に達していない。」
「勝者が持つべき配慮と敗者が抑えなければならない写像(二価論。二元的社会観。善と悪の二元論。)の両方がある。私は敗者だから怒り方を変えろと言うほかない。」
「感情で怒るのではなく、静かに怒る。相手の無神経や捨象・不認識に怒る。認識しておいて知らない振り、に怒る。」
「二十歳の頃にモテていても、三十を超えて女性から相手にされなくなる。目標のない男に女性は魅力を感じないようだ。彼らもまた、若さへの嫉妬を始める。(ようこそ、我ら喪男界に。童貞を馬鹿にしなければ、いつでも受け入れる。)」
「あの頃は、若いというただそれだけのことで自信が持てた。」
「これも若さへの嫉妬か。俺も歳をとったな。」