はるのぶのつれづれ

幼女の子宮で泳いでいた頃の記憶

2010-04-01から1ヶ月間の記事一覧

卒塔婆詩(そとばぽえむ) 第5回

・ 美しい胸板に憧れて買った土粘土と紙粘土を 針金に巻きつけて塑像を等身大に仕上げる 白と黒の混ざり合った肌の冷たい匂いが胸を高まらせ これが今日から私の新しい体なのだと 歓喜のなか額と額を合わせて念を入れる 魂を段階的に注入して半分 肉体は私の…

たった今見た夢を書き止める(2010年4月26日早朝)

(たった今目覚めたところだ。生々しい夢だったので書き記したい。) いつ技術を身に付けたのかは知らないが、私は電気技師として社長と三人でクライアントのもとに向かっていた。着いた先は朝鮮学校だった。何階建てかは覚えていない。とにかくコンクリート…

卒塔婆詩(そとばぽえむ) 第4回

・ 生きる道を間違えたのか 一人になる時が怖い お迎えに来られる方がたにどうお詫びを言おうか 考え込むのは一人の時だ 誰にも見られないからつまらないことでも考える とりあえず生きてきましたという答えさえ 今では自慢の種となるだろうに まだ足りない…

卒塔婆詩(そとばぽえむ) 第3回

・ かびたランドセル背負い(しょい)学校に行くと 怪訝な顔して見つめてくる大人たち 子供の心をとうに忘れたような声で 私を不審者と呼んだ ・ 聞いていないから知らずにいることができる 自殺 ・ 盲目の巨人を連れた砂漠 覆面たちは水浴びの美女を見た 砂…

卒塔婆詩(そとばぽえむ) 第2回

・ 空を見上げれば群衆が見える 見えればすなわち空を歩く 日本晴れの悲しみを人知れず 歩く大群ふたたび現れるとき 日本の危機は可視化される ・ 風の子の生まれ変わりは幼女にて 黒褐色の蟻の群れ ポスター一枚の女王を演じる ・ ブラウン管に連れ戻される…

卒塔婆詩(そとばぽえむ) 第1回

・ 世界の立ち位置はどこか真新しくて 単純なほど壊れやすい 危うさを選んだ喜びに満ちている ・ 誰もいないと早合点した部屋に 人がいる 確かにいる 見上げればそぞろ歩きの 透明めいた存在感 今日は回向の日 ・ カーマインの恋は 幼い体に一線を画す 内な…