はるのぶのつれづれ

幼女の子宮で泳いでいた頃の記憶

ひとりごとならべ(2009年12月 その12)

「一人の派遣労働者が、大阪の路上で遭難した。」
ニートが親を追い詰める。たしかにそうだ。しかしニートを追い詰める者が、彼らの親をさらに追い詰める。」
「人をろくに雇わない企業人が若者の甘えを嘆く。社会から利潤を吸い上げて、還元したがらない。どっちが甘えなんだ。」
「偉そうにしている奴がどれほどの市場価値か。そいつらの実力を暴き出して権力から引きずり出せ。奴らのせいでどれだけの者が社会の底に沈められた。今こそ、転換の時だ。」
「確かに俺たちは、社会の落伍者だ。だが適切に機会さえ与えられれば、惰性でそこに居座っている者よりはるかに働いてみせるだろう。だからさっさと仕事を分けたらどうだ。力のない者はある者の挑戦を受けるべきだろう。底辺を眺めてきた分、力も溜まってるんでね。」
「ケンカ売る相手変えたのか。」
「まあ、非正規労働者の問題が友愛や平等で語れないのは事実だ。氷河期に就職の機会を閉ざされたり、年齢や新卒主義の壁に阻まれてまともな、つまりそれで人並みの生活ができる仕事に就けなかった人たちが若年失業者や非正規層の核になっている。機会さえあれば、とっくに正規の職に就いていた者たちだ。」
「彼らの要求のなかで見過ごされがちなのは、労働市場での自らの立ち位置を知りたいということだ。制限のない、流動的な労働市場を想定した場合の、自らへの評価を知りたいわけ。」
派遣村に集まった者たちは、市場主義の中で必然的に降りる者と、正当に評価される機会を奪われて仕方なくそこに居る者とが混ざり合った状態だ。しかも両者の線引きは、現時点では明確でなく、各個人が労働の過程でどちらの可能性も覚えているだろう。」
「正社員と比べ、仕事の能率が劣ったり、むしろ彼らより現場を知っている。どちらも経験することだ。しかし実際の身分はいつまでも非正規のまま、固定されたきりである。正社員と同じ基準で評価されることはない。非正規労働者は、自らへの本当の評価を知りうる機会がない。」
「そういう点で派遣村潜在的な利害対立者どうしの集まりでもあった。市場の評価により上昇する者と、下降する者とが集まり合った場だった。」
「ただ、今のままでは、いつまでも正社員の下位に定められ、流動的な労働市場による評価、年齢や新卒優先による制限を撤廃した後の本当の評価、これが市場主義なのだが、不当な制限を撤廃した後の自己像を非正規労働者は知りえない。」
「流動的な関係性に日本人が慣れなければ、人事の固定性はそのまま。」
労働市場が真に流動的であれば、自らへの評価に納得することはできる。現状は、年齢と卒業年度によって労働市場が閉ざされている。」
「制約のない状態で本当の実力を知りたいという思いはある。今のフリーターを囲む状況は、年齢と卒業年度による制約以外の何物でもない。」
「これが城繁幸氏の『ガラガラポン』の指すところだろう。」
「自ら不平等の底に沈んでいこうとする意思のなかで。」
「心まで“負け組”になると、それはもうスパイラルです。」
「同じ境遇でも真っすぐに行く者がいる以上、脇にそれた者は遠慮せざるを得ない。」
「脇に逸れた人間に、もう一度まっすぐ行ける道があれば、私は歩けるような気がする。」
「甘えたことを抜かすんじゃない。お前と同年代の人間がどれだけ苦労してる。」
「なにが職歴や。誰でも最初は初心者やろが。歳なんて関係あるかい。」
「当事者さえ出せば、わがままでも通じる。」
「機会のなさに抗うことを忘れるな。」
「雪のような道を真っすぐ歩いていたら、道が溶けた。」
「忘れたなんて思い上がるな。そもそも頭に入ってなかったんだ。」
「俺が愚かだったのは、世間の冷たさに同調して何もしなかったことだ。」
非モテ問題から一旦身を引くことで、戦力(気力)を就職に集中できる。すでに頭は切り替わっている。」
「実は、自己の生命を質にかけた社会的発言というものを私は好まない。(『生きさせろ』というのはその典型だろう。)しかしそれ以外の方法を知らない。」
「だから『生きたい』という主張は、人によれば誠意を欠くものと捉えられるだろう。それは十分に覚悟している。」
「一つ言えるのは、物事は『仕方がない』だけでは済まないということだ。」
「正社員の研修はフリーターにとって、上げ底にしか見えない。」
「自己責任論を抜かす輩は、手前に甘いだけだ。」
「親に甘えている者がホームレスを馬鹿にしたら、喜劇そのものだ。」
「努力したことのなさそうな奴に努力したのかと尋ねられる。お前は運がよかっただけ。」
「自分でも嫌がっていることを、立場の弱い人間に押し付ける性根が気に食わん。」
キャッシュフローだけが人じゃない。付加価値だけが能力じゃない。そんなことも分かんないで何年人間やってんだ。」
「『でも最後はお金持ってる人に頼るんだろ。』『・・・』」
科挙制度がうらやましい。高齢でも合格すれば仕事がある。」
「身軽な男になるということです。余計なものを持たず考えず、自主自立した人間です。ただ人は自立すると、自らの力だけで成したと思い上がる癖があります。自立しても、阿呆になりません。」
「男なんてのも所詮、言葉だからな。何も考えず、ただ自分一人でやる。そう、馬鹿になることだ。しかも馬鹿を意識しなくなるまで馬鹿になりきる。そこで力が生まれる。これぞ火事場の馬鹿力。」
「必要性のないことにまで時間を掛けすぎるのが私の悪い癖だ。しかも思い付きで決めてしまう。必要なことはその都度対応する。もちろん先を見越した準備も行なう。それは思いつきではなく、なすことを絞って行う。」
「フリーターは平等を求めている、というより正社員との競争を求めていると言ったほうが正しいのではないか。」
「社会に喧嘩を売るんなら、いつでも懐に飛び込めるようにしないと言葉に説得力がなくなる。」
ワークシェアリングをしたほうが利益になると証明できればいいのだが。」
労働市場を流動化させる以外にフリーターの活路はない。セーフティーネットの必要性は言うまでもない。」
「自分が危険な目に遭いそうになければ、セーフティーネットを必要としないし、そもそも関心さえ抱かないだろう。現状を見れば、世間にどれだけ自信家の多いことか。」
「フリーターの士気の低下を実力のなさに置き換えてもらっては困る。インセンティブもないのにどう士気を上げられる。」
「企業の良心に期待するのは無駄骨だ。政策で脅しても抜け道に逃げられるだろう。利己心に訴えることが現実的な策になる。ただ具体例がない。」
経営学から内在的に現在の人事慣行の不合理を指摘しえればしめたものだ。」
「人事は慣行が優先されやすい。この慣わしが不合理だと言っているのだ。」
「こんなことをいちいち考えないと、生きることも難しいなんて。」