はるのぶのつれづれ

幼女の子宮で泳いでいた頃の記憶

ひとりごとならべ(2009年12月 その13)

「円環砂漠」
「私は欲をもつべきだ。」
「『欲を持つな。』『お前が言うな。』終了。」
「単純明解が一番快適だ。ものが多すぎるとノイローゼになる。」
「人は矛盾を抱えたまま死ねばいい。その思いがさらに強くなった。」
「いま『坂の上の雲』を見てんだけど、大いなるもののために仕事をできた人がうらやましいと思う。今は偉そうに言っても、自分のために仕事をするのが当たり前だろ。人より豊かな暮らしをしてやりたいという成金根性が鼻につくわけさ。」
「私の言ってるのは、地位のある人のことだよ。自分のため、といったらまずは生活のためだからね。で、プラスアルファができる人もいる。ぜいたくが可能な人だよね。」
「そういう人はたいてい然るべき立場にいるわけで、彼らが大所高所に視野を持っていたらぜいたくもさほど鼻につかないだろうけど、わざわざ見せびらかすためのぜいたくをする。それを成金と呼んでいるのさ。」
「せっかくいい教育受けても、社会に使命を持つでなく、ビジネスで稼いだカネを自分で使う。それで終い。スケールが小さいというか、教育はお金を稼ぐためのものといつの頃からか割り切ってしまったようで、そうなると志なんて言葉はもう死語だったのです。(原作は十年前に途中で投げ出したっきりだけど、読み直すか。)」
「自己責任論に批判的な立場とは若干の矛盾もあるだろうが、いま『西国立志編』(『自助論』)を読んでいる。現状から立ち上がる手がかりを探るためだ。」
「ただ這い上がるのみ、という人間が今はすっきりとして見える。その単純さが清々しくさえある。単純さを悟った人間に近ごろはあこがれている。(『馬鹿になれ』というときの馬鹿者。)欲を持つことに覚悟があり、恐れもなく迷いがない。何かを目指すように、真っすぐ突き進む。そういう心境が学生時代にあれば、もっと増しな人生を送れていたかも知れない。(欲に振り回されるのはただの阿呆だが。)」
「今になって振り返ると、彼の『親に迷惑をかけてもいい』という言葉は家に余裕があるから言えた。」
「私の最大のコンプレックスは、父親に勝てないということだ。」
安部公房作品の主人公は基本的にいつも一人だ。『砂の女』でさえそう思う。」
「茅野訳は読みやすいが、繰り返して読みたくなるのは片山訳だ。ドゥイノは手塚訳が好きだ。リルケ。」
「名詞ばかりの詩は退屈だが(イメージの形成に労がかかるから)、名詞のみなら自然とイメージが浮かぶ。」
「優れた理論家になることが権力への道である。それがレーニンから暗に学んだことではないか。」
「私が学生時代にマルクス主義を学んだのは、本当に国を変えたかったからか、それとも単に理論家になりたかっただけなのか、今も分からないでいる。」
「一度古書店に出すと決めた本は読み返さない。あとで読みたくなればまた探すだけ。」
「読まなかった本は読まなくていい。」
「立ち位置をすぐ忘れるから困る。」
「どちらでもなく、ただそれを描く者として。」
「要旨に乱れがあるのは、心が定まっていないから。」
「起承転結を意識しすぎると文章が固くなる。」
「文章が固くなるか自然になるかはネタを消化した深さによる、ということをようやくこの歳で知った。」
「抽象的なものでも、すでに個人にとって具体性をもつのであれば、思い切って物象化して捉えればいい。人間は結局皮膚感覚で物を捉えるしかない。」
「朝の報告書を一枚一秒で流し『だいたいの構造は分かる』と言ってのけたクオンツ金融工学者〕(30代男性・韓国系アメリカ人・米国在住・既婚者)。『マネー資本主義』で見た。」
「キーワードリーディングを駆使して一冊あたり2・30分で『だいたいのことは分かる』と語った人(30代女性・会社員・日本在住・既婚者)。この人は『サキヨミ』で見た。」
「彼女は勝間和代氏の傾倒者だそうで、だったら年功序列の弊害も理解している、はず。生活がセレブっぽかったけど、ちゃんと分かってらっしゃるよね。キーワードリーディングに10万円かけたそうだ。」
「キーワードリーディングしていたら、線引いてる暇はないだろうな。線を引く習慣があるんだが、もちろん再読時に役立つ。けれどそれが自己目的化しているような気はする。」
「新明解の第四版を手に入れて五年。ようやく気づいたが、あの本はあえて面白い説明を探しても疲れるだけだ。ふと浮かんだ言葉の意味をその都度引いてみる。それくらいの気長さのほうがずっと付き合える。つまり普通の辞書として使いながら面白い発見があればそれでいい。」
「現実には幻想しうる余地がないことをそろそろ悟る必要がある。」
「岩波の『図書』を購読して十年になる。最近は新刊目録に目を通しても既視感ばかり覚えるようになった。」
「私は小田実とすれ違ったことがある。朝生の格好そのままだった。あの迫力は一生忘れられないだろう。(開業して間もない頃の神戸ハーバーサーカスにて。撤退した神戸西武のテナントに入った商業施設。)」
「それで思い出したが、たしか1998年だったかな。緑が丘のケインはどうした。神戸オーガスタプラザが車内広告出してるんだけど、月毎に女性スタッフが男の子を見つけてインタビューするんだわ(『ガール・ミーツ・ボーイ』)。素人の。そこに買い物に来ていたのがケインだったわけ。俺より一つ年下だったかな。」
「ケイン、名字は忘れた。日本名だ。ハリウッドに行って俳優になるのが夢だそうで、名前だけでもとアメリカ風に名乗ったんだね。なかなかハンサムだったよ。いや、イケメンというより少年を残した可愛さだった。」
「で、月が変わって、別の人に差しかわったあとの車内で、女の人が二人お話しているのが聞えてきた。実際にケインを見かけたそうで、彼も神戸電鉄だった。緑が丘駅で彼女を見送ってたそうだから、住んでるとしたら志染か三木あたりか。いい男はやっぱり彼女いるよね、というニュアンスだったさ。二人とも可愛いしおしゃれだ。どうして俺に関心を寄せない。ほんと、泣いていいですか。」
「あれから10年。早いものですな。あのケインという名前は、やはりケイン・コスギさんから拝借したのでしょうか。少し気になりました。というよりも、車内広告って、意外と見られているもんなんですね。」
「夢の中で夢を見たら、ドグラマグラ。目覚めた現実がまだ夢の中。こうなるともはや夢オチとは言えない。」
「泉花ちゃんに肉食系女子の予感がする。ブログのプロフィール欄に驚いたよ。タレントなのに、なんて正直な人だ。あれじゃ、今すぐに恋したいですって、言っているようなものだ。俺たちオタにとっては、幻想の余地なしですよ。ほんと、普通の小学生。おませさんだこと。まあ、11歳であの演技力。感心したよ。まいん以外にも見たいさ。」
「入野さんは、いっそまいんちゃんと付き合ったらいいんだよ。なんて前なら考えもしなかった言葉だ。同級生に取られるくらいならずっといいさ。まあ、特典映像の言葉(『ずっとまいんちゃんのことが浮かぶ』と言ったそうだ)はリップサービスかも知れないけど。」
マクドナルド○○駅店で十年前にバイトしてたあの女の子は、大学生かな。今どうしてるかね。萌ちゃん。」
「てのひらに ひとひらの雪 とけてゆく」
「温かき 土の匂いに 母を待つ」