はるのぶのつれづれ

幼女の子宮で泳いでいた頃の記憶

ひとりごとならべ(2010年1月 その5)

「介護求人による水際作戦」
「高齢者の尊厳を持ち出す偽善」
「介護は人手不足でなく、待遇不足。」
「報酬なきプロ意識は精神論に過ぎない。」
離職率の高い仕事は、それに見合う報酬がない。」
「愛情は第二の報酬だ。第一の報酬には置き換えられない。」
「『介護って、究極の愛。』10年前、こんなコピーがあった。介護保険の。小泉さんが厚生大臣のとき『介護は無償の愛』と言った。愛で労働は報われない。」
「どうやら俺たちは社会の沈めとして有効に機能してしまっている。学生は俺たちの状態を見て、驚いて就職活動に励む。」
「おそらく登録型派遣は請負に置き換えられるだろう。請負メンバーを予め何人か登録しておいて、仕事のある時だけ現場に行かせる。指導は請負会社のチーフが行なう。チーフというが彼らもバイト。私のいたイベント会社はこの形式。仕事のないときは他のバイトでつないでいた。就業機会の不安定さでは派遣と同じ。登録型請負とでも言えばいい。」
「『仕事なら選ばなければいくらでもある。』こんな言葉の暴力。あれは提案でなく脅しだ。彼らの苦境を理解したくないからあんな詭弁を垂れる。」
「不思議なことに『労働者は探さなければいくらでもいる』という言葉を聞かない。」
「バイトの口コミを知らないようだ。現場には介護労働者だった人もいるわけで、彼らがバイトのほうが割りに合うよって言ってんだからそりゃ行かんわな。実話。」
「女性は介護に向いている、暴言としか思えない。女性ももちろん報酬のいい仕事に就きたいに決まっている。」
「家事労働の延長線上に介護が捉えられているから、いつまで経っても本気で賃金を引き上げようとしない。政府は内心、俺たちを突っ込みたがっているようだが、労働強度と報酬のバランスを考えればアルバイトのほうが割に合う。」
「家事労働は基本的に無償だから、それに“近い”仕事もできるだけ無償に近づけようとする。」
「介護は家事でなく労働だ。線引きをあいまいにして現場に向かうと、後で泣きを見る。」
「介護の離職率が高いのは、紛れもなく待遇のためだ。仕事による摩擦は本来待遇によってカバーされる。」
「介護労働の美化が気になる。こないだののりピーなんか露骨だったな。愛情や感謝を労働者自らが語る。美化に乗せられている。精神的報酬は副次的なものだ。あたかもそれが目的のように取り上げる報道。美化されるうちは職業として確立されていない。それが報酬の低さに反映され、愛情に代替を求める。精神的報酬が自己目的化して報酬はさらに低くなる。据え置かれる。」
「人並みの生活を送れる仕事を判断する基準は、それで家庭生活を営めるかどうかだと思う。できなければ使い捨て人員だ。」
「介護労働者は独身で構わないという暗黙の了解が気になる。介護がほんの少しだけ頭をよぎったこともあったが、待遇がよくなるまで行かない。」
「『仕事だから』と言える仕事は、それ自体で生活が、もちろん家族も含めてやっていけるものをいう。そこに初めて耐える意味がある。」
「『介護ですか。これで人並みの生活できますか。』『・・・』『できますか。』」
「仕事をはぐらかされて、素直に聞いたら、降参に等しい。仕事のはぐらかし。」
ハローワークが不完全就業を斡旋してどうする。フルタイムの低賃金だから余計始末が悪い。」
「人手不足の業種に失業者を補充する。もはや人間を相手にしているとは思えない。失業者も待遇の問題は知っている。路上生活者も人の魂がある。足元を見られて容易く受け入れるはずがない。」
ハローワークは、求職者に介護の仕事を勧める前に介護労働者の報酬を是正しろ、と言いたくなる。」
「選ばなければあるという仕事があるだけ幸せだよって、焼け跡からじゃ、誰だって幸せに見える。」
「『仕事を選ぶな』と言うなっていうけど、そこで仕事してる人はちゃんといる。という。仕方なくやってんだ。生活のために。足元を見られて我慢するしかなかった。それだけ切羽詰まってたんだよ。」
「『じゃあお前は切羽詰まってないことになるな』となるわけ。『お前たちは苦しんでいる振りをしているだけだ』と言いたいために『仕事を選ぶな』と迫る。」
「『仕事を選ぶな。』同じ理屈は拷問と自白の関係でも言える。自白していない間は苦しくないはずだ。体じゅうのアザを見てなおそう言う。」
ハローワークがやってるのは、今から誰かの家に行って、ただ働きで家事やってこい、少しだけご飯食わしてやれるが、自由になるお金はあきらめな、家事は生かさず殺さずだから、人並みに生活したいなんて、身分違いさ、ってことだ。」
「典型的なはぐらかしだ。誘導に乗ったら負けだ。門戸の開放意外は一切受け入れない。足元を見られたら人として怒れ。」
「介護労働の社会的評価が低いことに不満があると現場の人間が新聞で語っていた。派遣村以降はなおさらだろう。自分たちの会社には入れたくない人間でもできる仕事。つまり“怠け者”でもできる仕事。」
「おそらくこのままでは、介護労働自体が労働として評価されない事態が来る。失業者の受け皿として社会的認知を受けると、他の職業に就きたくても難しくなる。介護労働が職歴として正当に評価されなくなるからだ。いちど介護労働に定着すると他の職業に就けなくなる。すでに雰囲気は醸成されて始めている。」
派遣村の人間を雇用の調整弁としか思っていないことに苛立ちを覚える。彼らを介護現場に投げ出して、雇用の回復をアピールされてはたまらない。待遇が悪いから人が定着しない。そんなことはとっくに知れ渡っている。」
「介護労働者の人材不足を解消する唯一の方法は、待遇を他の業種の正社員と同じ水準に引き上げること、ただそれだけだ。」
「労働者の現状がどこから来たのか考える時期に来ている。低賃金労働の斡旋はその先延ばしに他ならない。」
「人手不足なのに給料が引き上がらない。介護労働者の給与は失業者を潜在的な人員として当て込んでいるから、未だ低いまま。失業者が露骨に産業予備軍化されている。」
「事務労働もジェンダーの影が付きまとう。『(家事=)簡単な仕事=女性』という図式が機能すれば、女性は企画立案などの基幹的な職種や企業の意思決定過程への登用が制限される。一方で事務労働など人員の代替性が比較的高い職種には登用されやすい。単純化すれば派遣労働者は男性がライン工、女性は事務職という図式がある。(細かい統計までは知らない。)」
「これは男性にとって、事務労働への就業制限になる。女性が事務労働に固定化された分、男性に仕事が回ってこない。これは正社員を含めた人材の流動性がないために起こる。だから女性に文句を言う問題でなく企業体質に関わるものだ。しかし派遣は派遣会社を通して行なわれるため、男性が派遣先企業に異議を申し立てる直接の機会はない。」
「生活に困っている人間が声を荒げたら女性差別になるという。」
「ハロワで渡した4枚の求人票が全部女性向けだったのには腹が立った。もちろん表向きは性別不問とある。事務職だ。派遣会社がハロワに求人を出している。職員が先方に電話すると、女性を希望と返ってきた。しかも25歳まで。きっと美人がよかったに違いない。電話は無駄足を踏ませないための現場の対応というもので、職員や労働局に怒ることはできない。ただ不採用を承知であえて面接に行って、ブスですがよろしくと言ってやればよかったと後で思った。」
「もちろん『肉体労働=男性』という図式は、労働者の待遇を悪化させるだけだ。設備の肉体による代替をこの図式は含んでいる。」
「失業者を放り込めば社会保障費を抑制できる。馬鹿にするにも程がある。」
「君は同じことを派遣村の人間を前にして言えるか。」
「生かさず殺さずと生きるとは違う。」