はるのぶのつれづれ

幼女の子宮で泳いでいた頃の記憶

ひとりごとならべ(2010年1月 その9)

「己の命は疑うな。」
「生きることを避けるな。」
「どこかに隙がある。それが不合理性だ。」
「不合理性に安住しながら市場主義を賛美する。」
「みんなで生きようなんか言わない。君も死んでくれと言ってるだけ。なぜ我われだけ死にに行かなければならないのか、納得できないから。」
「生かしたい人間がいて、誰かは死んでしまう。好ましい人間を生かすことは十分に利己的だろ。まあ私が生きても君に何もして差しあげられない。負担になるかもしれないか。たしかに生かし合いにはならないね。」
「人材は先入先出法で雇って頂きたい。」
「私は企業の社会貢献として、フリーターの雇用を重視している。」
「『新時代の日本型経営・最終章――そして雇用はなくなった』海外移転。」
「使えない人間という発想は企業のわがままと思えばいい。職歴のない人間を排除するための常套句だから。実際に使えない人間がいたとしても、表向きは認めたらだめだ。労働者の生存に企業の理屈が介入することになる。」
構造改革や市場原理が浸透すれば企業の閉鎖的な体質が改善され、フリーターの雇用に前向きになるだろうと思って郵政選挙自民党に投じたが、愚かだった。社会保障は市場原理に先行しなければならないと思い知らされるのに時間はかからなかった。」
「それに企業は自分からフリーターを雇う気がない。今は強権的な政策も必要だと思っている。フリーターの雇用を義務化することだ。仕事はその後で分け合えばいい。」
「労働者の生存が支障なく保障された状態から、企業は活動の自由を許される。我われは雇用を、企業に委ねすぎてしまった。」
「現在の制度が不合理だと思うから攻めの戦いができる。」
「生きているのは十分に立派なことと自分に向かっては言えるが、同じく生きている他人には何の効力もないし、自分が立派な人間であるような勘違いとして受け取られかねない。」
「命に敬意を示せと命じられると、こっちの生活にも敬意を見せろ、これで命をつないでいるんだと言われても仕方なく、命の相互尊重と言いかえる羽目になる。」
上げ底で社会に入った者にいつまでも大きな顔はさせられない。人の死を願う者は本当の生き残りレースに参加すべきだ。」
「事実上の殺し合いを後世の人間は、国が傾いてゆく過程と見なすだろう。たしかにこれ以上この国が発展するとは予感さえしない。」
「誰かを追い落として後で気づいても、もう戻れない。むしろ生き残れたことを感謝すべきだ。」
「『派遣村行く前に仕事しい。』と母に言われた。『派遣村に行ってる人は仕事して、それがなくなってあそこにおるんよ。あんたよりえらいわ。』前にも同じことを言われた。」
「『寒い寒い言うてるけど、この人らなんかもっと寒いわ。うちらまだぜいたくやわ。』母が炊き出しの記事を見て言った。そうやな、僕は人ごとでは済まんかも知れん。とは言えなかった。」
「生きるための戦いを全国的に始めなければならない。ここは一人派遣村。フリーターの聖地を分有する。」
「数えるほどの観念と従順だった頃の経験によってできた壁。」
「壁はダイナマイトで飛ばすか少しずつ崩すか。それとも飛び越えるか。城壁。」
「立派に生きているようで隙がある。そこを突き続けて壁を崩す。壁が観念で仕上げられていれば単なる上げ底だ。崩しても良心は痛まず、かえって公平な社会になったことを喜べばいい。上げ底はいずれ廃れる不合理性だ。今まで残っていたほうが不思議なもので、さすが高度成長を支えた土台、しっかりしすぎです。もう次の時代が来ましたから、フリーターの雇用のためにもここいらでご勇退くださいまし。新卒主義が許されるのは小学生までです。」
「壁の中から引きずり出して、死の機会を与える。そこでようやく恐怖を等しく分かち合える。共に生きることをはじめて話し合うだろうが、これは理想論からでなく妥協の結果である。」
「死の恐怖を分かち合わずに共に生きるというのは無理だろう。共生があるとすれば、死に裏打ちされたものだ。戦いを尽くした後の平和に近い。」
「壁の外にいるほうが、つまり生き死に殺しを意識しているほうが堂々巡りを味わい易いとは、どういう訳か。」
「内定式と加藤」
「面接は殺し合いだ。」
「面接官の餌食になりやすい。」
「書類選考は事実上のフリーター外し。」
「職歴が事実上の年齢制限になっている。」
「面接、この日常の砦にどれだけの者が挑み砕けたか。」
「ガチニートさんがはてな活動を再開されている。ブログは閉鎖しているが、半ばひきこもり状態からの第一歩を平然と踏み潰された姿が痛切だった。」
「人の這い上がりを拒む者は、それが社会を閉塞させることに気づいているだろうか。社会的責任を放棄する。その方便として自己責任論を楯にする。ここにある不作為を我われは企業の外から見通している。」
「二十歳そこらで人生が決まるのでなく、何歳でも挑戦できる社会のほうがはるかに素晴らしい。」
「階層の固定化を突き崩して道とする。社会は流動的であるほうがいい。」
「これは年齢差別との戦いである。」
「同僚がほとんど同年代というほうがおかしい。」
「小さな努力で偉そうなことを言うな。所詮上げ底で勝っただけだ。」
「生きることに疑いは要らない。生きようとしてはじめて、生きている他者の隙が見つかる。いくら強がって見せても、隙のある人間は自分を生かしきれない。それは人間そのものの条理でもあるが、結局は他人に生かされる。それが他人ではなく制度ならなおのこと、突き崩せばろくに生きられなくなる。そう、我われと同じ。」
「やはりあなたも弱い人。仲良く死を分け合いましょう。仕事も公平に分けましょう。あんなに強がっていたあなたは、上げ底の人。制度に守られるために努力するなんて、変な話だったんです。自分は大丈夫だとほっとしなければ、フリーターを見下せなかったはず。いつしか私たちは見せしめ。制度の外で制度の安定装置を外在的に演じていました。終身雇用、年功序列、新卒主義、職歴を楯にした年齢差別。全て見せしめによって成り立つこれらの制度は、不合理な遺制として否定される時に来ています。」
「今、新しい時代に相応しい、そこに譲らなければならない流動性があります。多様化したキャリア形成に合わせて、企業の採用方式を変える。旧制度にしがみ付き、これぞ実力主義とは矛盾も甚だしい。フリーターに門戸を開放し、本当に公平な競争環境を作るべきです。私たちはそれを、いつも意識して生き続けます。」
「いくら偉そうにしても、あんたは生かされているだけ。」
「完全な生を誇っている者の死が見える。」