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子宮の破裂する瞬間
立ち会い人がこちらを見つめて笑っている
今から驚くよとばかりに期待しているから
急いで表情を固くした
全てはスロービデオのように
割れた子宮が散らばってゆく
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移植した花たちがうまく咲いてくれないから
蔵に閉じこめてしばらく様子を見ている
本当の恥ずかしがりやさんなら
暗くしたほうがよく咲いてくれるだろうし
そこで枯れてしまうなら
その程度の楽しみでしかないから
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宇宙があるでしょ
精神があるでしょ
その両端をくっ付けて
没落しない人間が浮かびますか
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豪雪吹きすさぶ高山さえ踏破されざるはなく
星光なき宇宙さえやがて最遠に届く
人の精神は脳の類型化により尽くされよう
ただ最後の秘境として他人の存在が残される
いかなる者も名探検家としてしか生きられない頃
他という人間は丁度よく遠い
個人は大きな人間帯に置き換えられ
少ない人間で動く社会の原基となろう
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未来は存外寂しくって
大通りという言葉が死語になっている
ちょうど人の多さが苦痛なんで
その寂しさに少しは憧れる
寂しさは人が多いほど深刻でどこかに
人のいる予感はそれだけで励みになるから
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探し物を見つけた老人が子供に問いかける
お買い物はいつですか
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二十日ぶりに燃えた地面が
北九州の怨嗟を呼んで止まない
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米粒の一つ一つが入るべき口を知らずに
廃棄されたおにぎりの塊
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死者たちが使い回して来た七輪を
私の順番で不意に割った
本当は態と
いや
うっかり
でも
何時か割れることを望んでいた
自殺用の七輪
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孤独でも生きるという約束の相手も居ないから
孤独なんだと改めて思う
今は人の居る予感だけで満足だ
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自殺するな
孤独になれ
孤立しろ
一人で死ね
一人で何が恥ずかしい
生きて自然の一部として
最後の自然として歩く人間の一人として
それだけで生きる甲斐がある
お前を殺そうとする者に構うな
付加価値に取り付かれた哀れな奴に
お前の自然は何時までも映らないから