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先っぽのねえ男だって
穴のねえ女だっているんだよ
穴である幸せを
穴に選ばれた喜びを
うっかり否定しやがって
・
ストリートの歌声が雑音でしかない
あなた
あなたあなた
あなた
誰?
俺には関係のない
あなた
だから心に届かない
・
幼いから値打ちのある
人形
・
青春は坊主捲りのように
飛ばされた札を追いかけて
追いついた頃にはそれが
中年の思い出になる
・
幼稚園の石を並べて遊ぶ
ゆうこ
まゆ
ともみ
付かず離れずの関係に入り込む
僕
それが楽園
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全く不鮮明なものでした
土と子供が遊んでいるなんて
幻の中に
一人
男の人も混じってましたか
(あれは多分ロリコンなんでしょう)
・
精液を孕む十一歳と
喜んで眺める大きな胎児
・
むっくり立ち上がって素直に喜ぶべき
発見がこの順番に行なわれたのですから
何とも手の早い人たちの喜びようは一様に
素直で哀れでした
・
鉦うつ指先は血まみれの冷泉
あくまでも深い霧のように
影は浮かび上がっているのです
深淵からはい上がって人を眺めている
実体は傷口から丸いはずの頭を胎出します
・
人間観察部隊が各地に形成され
安上がりの観光として人気を集めているという
これからの妖怪は地場産業ではなく
全国区に展開する七輪妖怪のように
現代人の死に際を観察するそうだ
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男が三人、川に飛び込んだ。
人間、自由、平等とそれぞれ書かれたパネルを持って。
這い上がってきた者は平等のそれを抱えていた。
あとの二人は死んだ。
慣行に従い、猿として葬られた。
生き残りの男は始め、自由というパネルを手にしていた。
飛び込んだあと、もがきながら掴んだのが平等だったという。
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自由を許すな
人殺しの自由を廃棄しろ
我われは罪人を監視下に置く
奴らの自由を裁け
二度と殺さないように見張れ
我われは権利を肉づけする権利がある
自由は俺たちの人殺しであった
これからの自由は人を殺さない義務を課せられる
それが俺たちの権利だ
生存権の名の下に俺たちは自由を監視下に置く
平等の敵に自由を許すな