はるのぶのつれづれ

幼女の子宮で泳いでいた頃の記憶

卒塔婆詩(そとばぽえむ) 第7回

先っぽのねえ男だって
穴のねえ女だっているんだよ
穴である幸せを
穴に選ばれた喜びを
うっかり否定しやがって

ストリートの歌声が雑音でしかない
あなた
あなたあなた
あなた
誰?
俺には関係のない
あなた
だから心に届かない

幼いから値打ちのある
人形

青春は坊主捲りのように
飛ばされた札を追いかけて
追いついた頃にはそれが
中年の思い出になる

幼稚園の石を並べて遊ぶ
ゆうこ
まゆ
ともみ
付かず離れずの関係に入り込む

それが楽園

全く不鮮明なものでした
土と子供が遊んでいるなんて
幻の中に
一人
男の人も混じってましたか
(あれは多分ロリコンなんでしょう)

精液を孕む十一歳と
喜んで眺める大きな胎児

むっくり立ち上がって素直に喜ぶべき
発見がこの順番に行なわれたのですから
何とも手の早い人たちの喜びようは一様に
素直で哀れでした

鉦うつ指先は血まみれの冷泉
あくまでも深い霧のように
影は浮かび上がっているのです
深淵からはい上がって人を眺めている
実体は傷口から丸いはずの頭を胎出します

人間観察部隊が各地に形成され
安上がりの観光として人気を集めているという
これからの妖怪は地場産業ではなく
全国区に展開する七輪妖怪のように
現代人の死に際を観察するそうだ

男が三人、川に飛び込んだ。
人間、自由、平等とそれぞれ書かれたパネルを持って。
這い上がってきた者は平等のそれを抱えていた。
あとの二人は死んだ。
慣行に従い、猿として葬られた。
生き残りの男は始め、自由というパネルを手にしていた。
飛び込んだあと、もがきながら掴んだのが平等だったという。

自由を許すな
人殺しの自由を廃棄しろ
我われは罪人を監視下に置く
奴らの自由を裁け
二度と殺さないように見張れ
我われは権利を肉づけする権利がある
自由は俺たちの人殺しであった
これからの自由は人を殺さない義務を課せられる
それが俺たちの権利だ
生存権の名の下に俺たちは自由を監視下に置く
平等の敵に自由を許すな