はるのぶのつれづれ

幼女の子宮で泳いでいた頃の記憶

ひとりごとならべ(2012年7月5日)

「失恋の日、私は資本論を読み返すことにした。」
「誰かを排除すると、結果的に自分自身も排除されることになる。」
「死刑制度を維持することで、犯罪者の生育環境さえ彼らの自己責任に帰せてしまう社会通念が大衆のうちに無自覚的に定着する危険性がある。死刑制度の維持は犯罪被害者の権利に適うという面がある一方、大衆の間で知らぬうちに社会的不利益をもたらしていることは意識しなければならない。我々は死刑制度の恩恵を受けながら、これによる人間精神の荒廃を被っているのだ。」
「人間に賞味期限という言葉を充てるグロテスクさに辟易させられる。」
「いまは本当の出会いの前段階だと思え。考えてもみろ、つい三か月前にはこんなことになるとは思いも寄らなかったではないか。」
「燃えない蝋燭が溶かされている。」
「怪しげな日時計達が、無数の太陽に照りつけられ、そこにある地軸を表せないでいる。」
日時計達が私の前で焼き尽くされている。私は日時計であり、日時計ではない。寧ろ真夜中の月の日時計になりたい。」
「私は今、ジェンダーによる社会的抑圧を受けている。男性でかつ非正規労働者であるがゆえに、およそ欠陥のある人間として扱われている。」
「記憶は想像されることなく。」
「革命を起こせない大衆は反革命の加担者として逆作用する。」
「消費できる者が消費できない者を差別する。消費とは交換であり、使用価値としての自己証明に関わるだからだ。」
「先日も触れたが、私のブログにおける幼女崇拝や非モテ論議は発言の小細工だったように思う。それらは私に関わることであったとはいえ、ネット上で流行している話題をあえて選んだことは確かだからだ。それゆえ、発言自体が私との密接さを裏切り、言葉は私に疎外感を与えるようになった。だからもう一度、初心に戻る必要がある。言葉だけは手放さないように。言葉にだけは裏切られないように。」
「過剰な情報が受け手に沈黙を求める。」
「沈黙でさえ言葉にすると陳腐なものになりかねない。沈黙という言葉を語るとき、私が真に沈黙を知るものか、正に言葉と沈黙そのものから試されている。」
「たとえ愚かなことであったとしても、自覚して何かをした(しなかった)という過去は、その後の人生において頼みになるものであると、この歳になってふと思い返される。」
「専門性に閉ざされた言葉は死人の寝言である。」
「私の存在のメルクマールが私から疎外されたところに存在しているせいで、私は認識から疎外されている。」
「青春の一時期、私は実朝に心酔していた。彼が死んだ歳に近づくと、私は当時の生活(絶望的な会計士浪人だった)と彼の死を重ね合わせ、私もあまり長くは生きられないとさえ思っていた。三十を越え、美しく死ぬことへの憧れは薄れていった。より絶望的になった境遇のなかで、どれだけ無様でも生きてやろうと思った。実朝は今でも私の死を暗示し続けているが、寧ろ死の前に凛然としていたその姿に励まされている。」
「相手の自己表出を引き出せる程、私は心を開いたことがない。」
「私は敗北者ゆえの不利益を受けながら生きている。忘れてはならない。会計士受験を思い立った日から、今日の悲しみはあり得る未来の一つとして予想しておくべきだったのだ。」
「敗北者ゆえにここで働いて恋をした。敗北者ゆえに正社員との身分の差を見せ付けられた。そう、私は正社員と天秤にかけられ、敗北した。敗北者ゆえの敗北。私は社会的格差という言葉を、この多層牲によって身を以て感じている。」
「いちど見た幻は二度と消えない。いちど知った幻滅も二度と消えない。この二つが私の心で逆立している。」
「方舟に乗る勇気。いざ、漕ぎ出でな。」
「頭を使わないと時間が早い。」
「作業化された会話」
「はやく自立したい。それが一番の望みだ。」
「天井は割合に高いはずなのに、今日は耐えられないほど窮屈で、外にでようとしたら母に止められた。本当は一秒でも外の景色が見たかったから、便所の窓から夜空を眺めた。」
「私に残されているのは言葉だ。それはトークといった簡単なものではなく、深淵どうしが語り合うような言葉だ。」
「人は詩によって深淵を表現し、詩によって深淵をよむ。」
「滅多なことがなければ深淵は沈黙として残し、ただ存在を暗示する。それが理想の会話だ。」
「正直に言えば、正社員と天秤にかけられたというくだりは私の想像だ。ただし、彼女がこれ見よがしに正社員と話していたのは本当だ。私にも思わせ振りなことをして、いざ本気な素振りを見せたらこれだ。しかも機嫌が良かったのか、今日は彼女から話し掛けてくる。生来の女性嫌いとこの半月間の人間不信が合わさって、話しながら彼女への不信感を覚えていた。」