はるのぶのつれづれ

幼女の子宮で泳いでいた頃の記憶

ひとりごとならべ(2012年9月16日)

「弱者の演技を見破るな。」
「それこそが近代への憧憬ではないか。」
「見えざる近代を求めている。未生のままの近代を。」
「絆の輪に含まれなかった人たち。」
前近代的な絆ではなく、近代的な連帯を。」
「たった一つの線が私の生きる道だった。」
「彼は手記においても心を閉ざしたままだ。」
「名盤は舞台が視覚的に想像できる。だから大きな部屋で大音量で聞きたくなる。」
「言語にとって人間とはなにか。」
天文学を発明する以前の人間の営みが現代でも人々の生活の原型となっている。」
「この間の海鮮丼は千円もしたのにご飯がばっちり見えててがっかり。」
「梯子を降りるのは至難だ。」
「何かできることがあるのは嬉しい。」
「絆という言葉が嘘臭く思えるのは、絆の輪から取り残されているという感覚が私にあるからだろう。」
「絆を幻想するのは無駄だ。」
「絆に取り残され孤独のうちに死ぬ。」
「問い、彼らはなぜ資格の勉強をしないのか。答え、仕事がないから。」
「日本ではスキルアップの機会が公平に与えられていない。」
「日本の雇用問題は近代的な外観を湖塗された身分問題であり、本質的には再生産された前近代である。だからこそ近代によってこの不合理な制度を破壊しなければならない。」
「私が柳子光に自らを重ねるのはこの辺りに理由があるだろう。」
「“近代”国家になぜ部落差別が残存していると思う?社会に前近代的(下部)構造が存在し続けているからではないか。日本の雇用制度も前近代的だ。身分制度は依然再生産されている。前者の前近代性は克服の対象として当然認知されているが後者はどうだ?近代的な装いのせいで十分に問題視さえされていない。」
「封建的な絆を美化する。封建制はそれ自身が美化を要求する。」
「日本の雇用制度は初めに身分ありきだ。身分のある者にスキルアップの機会が実質的に与えられ、身分のない者は仮に有益な資格を取得してもそれを活用する機会がない。これこそが雇用のミスマッチだ。雇用問題はすぐれて身分問題である。」
「有り合わせの、それも相当に精神的な苦痛を伴う仕事をそれに見合う対価よりはるかに低い給与で(よって屈辱的な形で)彼らの生存だけを“保障”するために宛がうのが今の雇用政策であり、人としての誇りを守るために求人を拒否した者をわがままな人間として否定するのが失業者へのバッシングである。それは“手前の身分を考えろ”と言うことで正当な対価の支払いを渋っているのだ。もちろん身分の低い者が人並みに暮らすのは不相応と言わんばかりに。」
「加藤の手記をどう受けとめればいいか迷っている。本当に話したいことに気づかないまま“順番”どおりに刑死してしまう彼をこのまま見送るのがもどかしい。」
前近代的な社会で社会の近代性を前提にするから言葉がどうしても上滑りしてしまう。」
「つまり我々は今生きていない社会について真剣に話しているのだ。」
「明治の革命が不徹底に終わったことをちゃんと認識しなければならない。維新は列強による植民地化から国の独立を守るための民族革命であり、社会の近代化はそれに見合う範囲内でしか行われなかった。つまり近代的な意味での個人が生まれなかったのだ。」
「つまり、我々はなされざる革命を起こさなければならない。さもなくばこのまま飢えて死ぬか、屈辱的な人生を送り続けなければならない。」
「話が唐突に変わるが、私は好きな人に告白もできない。」
「私の好きな女は若干変り者である。」
「一見すると社交的なのだが、帰るときは女子の輪に入らず一人になりたがっている。」
「彼女は心にバリアを張っているように見える。正社員が気軽に声をかけているのが不思議だ。私だけに見えるのか?」
「一人になりたがる人を好きになり、ひょっとしたら生涯付き合える人は彼女かもしれないと考えている私も一人が好きだ。二人して似合っているのか、そもそも人を好きになることに矛盾があるのか。」
「髪を下ろしているときの彼女は少し気が荒いかも知れない。」
「彼女は私が嫉妬深い男だということをよく知っており、私が怒らせたときはわざとらしく他の男に話し掛けている。さすがに課の先輩には悟られているようで、唐突に彼女の話題を振られるわ、彼女にも私の話を振るわで、二人して笑ってるから気恥ずかしい。」
「彼女の表情は明るく可愛い顔と、不機嫌で憮然とした顔とが別人のような明確さで異なっている。」
「彼女は戸惑っているときは無表情だが、口元は動いている。」
「表裏がはっきりしていることは彼女のいいところだ。」
「問い、好きな人に言いたいことは。答え、好きです。」
「もちろんこれは対幻想である。しかしその経済的な前提については嫌でも暗澹たる気持ちにさせられる。」
「私が『王と妃』にはまっているのは成り上がりが見たいからだろう。柳子光やハン・ミョンフェような成り上がりに憧れるのだ。庶子だからと諦めたら負けだ。私の歩みを不当に阻害する者は殺してでも歩け。それが柳子光だ。」