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生きる道を間違えたのか
一人になる時が怖い
お迎えに来られる方がたにどうお詫びを言おうか
考え込むのは一人の時だ
誰にも見られないからつまらないことでも考える
とりあえず生きてきましたという答えさえ
今では自慢の種となるだろうに
まだ足りないと思いに耽る
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パンダグラフ人間という生活の特徴は
頭に電気を受けて走ること
欲しいだけ食べるから死にはしないし
たまに意識が吹っ飛んじゃうだけ
有機体の証明より性に合うのは走ること
街に出る時は次の行き先だけ考えている
この間まで失業者だった
今は俺のために線路まで作ってくれて
子供たちが笑いながら乗り込んでくる
毎日働けば死ぬことはないし
次の行き先はさて
車掌に聞くか
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人間は私ひとりになったようだ
それともそこにいるあなた
心あるあなたがた
付加価値を振りかざせば人は死ぬ
そういう連中に囲まれて私ひとりを問いつめる
ええ
私は何も間違っておりません
歳が来たから動くのではなく必要があるから働きたい
こんなことも理解できないほど人は退化してしまった
付加価値を人に求める者が虚妄を抱いて人を忘れる
そして毎日人を追いつめて殺す
人を殺す者はその自覚さえない
悪意のない殺人者に囲まれて
人が消えてゆく
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誰かに似ている人から急に話しかけられて
言葉につまる
あなたは中田さんに似てますねと言うと
さっさと去っていった
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からの吹き出しが大きく大きく膨らんで
持ち歩くのさえ一苦労
どこかで人に会うという稀な行動のために
携帯だけは忘れないでおいたが
季節がらどうもふやけきって湿っぽい
人は多くても会う人の少ない街
無言の吹き出しが綿飴よりもっと大胆な驚きでした
膨らんで膨らんで空にのぼって雲のように
今こそ感嘆符が必要なときに
吹き出しはもう掴めないほど高く
大声を上げたい衝動が雨になって私を濡らす
そうか
ずっと何も言わなかったから
心のほうが膨らんで先に出ちまったか
いきなりだからずぶ濡れで遅いけど
傘だけコンビニに寄って差して帰った
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扉しかないから未来の多そうな壁
ええ行き止まりでした
扉の向うに扉扉
右も左も扉扉
ドアノブを回すさえもはや面倒で
アルミの色にも嫌気が差してきたから
体ごと突き破りたい怒り
出口はどこだ
せめて元の場所に帰りたい
今日も右左前うしろ
アルミ色の扉と戦っている