はるのぶのつれづれ

幼女の子宮で泳いでいた頃の記憶

卒塔婆詩(そとばぽえむ) 第13回

処女が燃え尽きるとき
イカロスの翼は光を失い
俺は失われた女を求めて歩き出す

君は終わらない夏に閉じ込められている
灼熱の炎に包まれた・・・
今 犬の鳴き声が聞えなかったか
(母が呼んでいる)
五百円玉を落としたから拾ってこいと
分かったよ ところで何かを書く積りだったんだが

園児は合体に咽んで泣き叫ぶ
ここが家族なんだよと
届かない家を求めて辿り着いた場所
それが男の股間だった
いつまでも園児
記憶から脱け出せないで遠くなる今日
忘却の営みに生きて
一人声を上げる

過剰に防衛された自己を
一枚一枚剥ぎ取ってゆく
母の愛の幼い頃からの積み重なりで
私は生まれた
脱ぎ捨てた記憶に手を伸ばす時
必死に払いのけようとする何かに気づく
内なる声が立てと叫ぶ
単独者の荒野に
一枚目の自己から始まる

使い回しの練炭
使い回しの棺桶
使い回しの統計

回収済みの時計が気になりだして止まらない

モノクロームの郵便局に抱きかかえられたツバメ

サンドイッチマンに流される

何人か小舟で何かを囁く
今日は海の生誕の日

幼女にエロスを奪われた女たちの矛先は
男たちの崇拝物に向かい
代表的な幼女を保護と偽り追い払う

まいんちゃんのお弁当を食べている
そういう設定の病院に入って一年
依存症から脱け出せない

幻想はすなわち幻滅である
幻想は仕掛けられた死である
滅びに至る門は広いとイエスは語った
元に戻るための道は
かつて歩いたはずの広い道路
それが見つからない
恋心に絡んだ幻想は
男達の女性像を深層心理から呼び起こす
現実の女性が永遠に届かないのと同じように
理想の女性は永遠に幻滅を許さない
ただ信じるのに疲れた時
女性そのものを求めることを止めた時
それまで費やした時間を犠牲に
男達は正気に返る

明日も朝が散ってゆく