はるのぶのつれづれ

幼女の子宮で泳いでいた頃の記憶

(メモ)引用・書評欄より(2012年10月31日)

「今日は備忘録的な新聞の抜き書き。」

空気読める人 追従に注意

(読売新聞2012年10月26日)
「『人は、暗黙の規範に拘束されるとともに、その場の集団の圧力にも影響を受け、その微妙なバランスの上で行動している。』釘原(直樹大阪大)教授の解釈である」
「当たり前のことだが、集団や組織の結束は、多くの場合に望ましく、決して悪いことではない。チームの勝利をめざすスポーツや軍隊だけではない。教室やオフィスに“変人”に「何でも反対」されてしまっては、かえって和が乱れ、何も決まらない。それを承知で、釘原教授に聞いた。付和雷同、バスに乗り遅れまい、といった迎合だけの無批判な同調を防ぐにはどうすれば?「集団に外部の専門家を入れ、同じ意見に傾かないようにする。リーダーが反対意見を奨励する。集団を複数に分け、声の大きい人の影響が全体に及ぶのを避ける。“鶴の一声”的な決定をしないため、まずは自由に議論し、影響力の大きなリーダーは最後に意見を言うことも肝要です」(本田宏編集委員

新書論壇 型無し民主 二つの要因

(読売新聞2012年9月17日)
「いまから半世紀ほど前、文芸評論家唐木順三は、日本の近代化を「型の喪失」として描いた。明治の文人儒教や武士道などを背景にした型をもっていたのだが、大正期になると、知識人は「あれもこれも」の教養主義に走り、人格の骨格がなくなった、というのである。(中略)冒頭にふれた唐木は、知識人の型の喪失を、東西の古典を無原則的に吸収する観客的教養にあるとした」竹内洋関西大学東京センター長)

シーナ・アイエンガー教授インタビュー「変化は常に不都合」

(読売新聞2012年8月13日)
「(選択肢を提示しない方がいい場面とは、)いまある選択肢が機能しているのに、新しい選択肢を追加すべきかどうかということです。例えば、ここで食べれば外れないというレストランを見つけたとして、このレストランでは満たされないニーズがない限り、新たにまたレストランを探す必要はない。単にほかを探した方がいいんじゃないかというだけで、わざわざほかのレストランを探すようなことはすべきではありません」
「日本文化の中で、この15年、かなりのスピードで、劇的に人生の選択肢が増え、複雑性が強まりました。大卒で同じ会社に勤め続けて結婚もするといった、明確な人生のレールがなくなってきた。女性であれば、結婚、出産、キャリアの選択肢が増えた。変化というのは常に不都合なものです。20年後に振り返れば明らかに良かったと思われる変化も、直面している時には違和感があるものです」
「日本人は、ローカルな局所的な問題を、どう効率よく機能させるかということについて、とても優れた選択をします。その一方で、日本人は大きな変化が得意ではありません。それはおそらく、失敗を恐れるためです。大きな変化のためには、失敗の可能性を考えながら選択し、チャレンジすることが必要な場面があります。日本人が非常に大きなリスクを負った最後の局面は、第2次大戦直後でしょう。それからは大きなリスクを負わず50年間機能してきました。しかし、今後100年は通用するかというとそうではなく、再び大きな変革が必要でしょう」

アメリカを歩く オハイオ民兵組織

(読売新聞2012年8月25日)
「米国の民兵組織の中には、人種差別的色彩が強かったり、「愛国」を旗印としながら政府攻撃を画策したりするような過激な団体も存在する。(中略)オハイオ防衛隊はこれらの団体とは一線を画している。ジョーダン・ブラッドリー隊員は「過激派はゴメンだ。我々の責任は法の執行を手助けすることだ。この銃を使ってね」と愛用の銃「AR-15」を手に笑顔で話した」(吉形祐司記者)

バーレーン「王政打倒」デモ過激化

(読売新聞2012年10月20日
「若者らの怒りをかきたてるのは、少数派のイスラムスンニ派が王室・政府の要職を占め、人口の7割を占めるシーア派差別が続く現状だ。デモ参加者の中心はシーア派が占める。人権センター(地元人権団体「バーレーン人権センター」)によると、デモ参加などを理由に政府機関や民間企業を解雇された約四千人の半数は復職できず、新たに職を失う人も後を絶たない。元政府職員の男性(37)は「もう、どこも自分を雇ってくれない。政府を倒すまでデモを続ける」と話す」

「書評」神門善久著「日本農業への正しい絶望法」

(読売新聞2012年10月28日)
「たとえば、農水省肝いりの「担い手育成事業」は、農地の形を整えたり、農道を拡張したりする公共事業である。しかし、そのことで家が建てやすくなり、住宅への転用を後押しする結果を招いているという。そのさい、転用を考えている農家にとって、農業に熱心な若者はかえって迷惑な存在ですらあるというから皮肉な話だ」(評:中島隆信・慶応大教授)

「書評」ギルバート・ワルドバウアー著「虫と文明」

(読売新聞2012年10月28日)
「秋の夜長を虫たちの大合唱をバックグラウンドに読み始めると、その面白さ、興味深さに引き込まれ、とうとう夜明けを迎えてしまった。ギリギリの知識をしぼり出したような記述ではなく、限りない博識の中から選び抜いたエピソードが多いだけに、文体にゆとりがあり読者に疲れを感じさせない」(評:カキ養殖業 畠山重篤氏)

「書評」東京の満蒙開拓団を知る会著「東京満州開拓団」

(読売新聞2012年10月28日)
「「最後的生活」から彼らを救出しようという社会事業団体の情熱は、困窮者を満州移民に利用しようとする国策にからめとられ、彼らは手始めとして「耐久力試験のモルモット」にされた。その後も労働者を開拓移民として満州に送るため、各地に農業訓練所が作られていく」(評:ノンフィクション作家・写真家 星野博美氏)