はるのぶのつれづれ

幼女の子宮で泳いでいた頃の記憶

(メモ)引用・書評欄など(2013年11月9日)

「書評」アレハンドロ・サンブラ著「盆栽/木々の私生活」

(読売新聞2013年10月27日)
「詩人が書いた小説、という言い方をすることがある。よくできた物語というよりはイメージの強さが際立ち、言葉そのものにひねりがあり、すんなりとは読ませない工夫がこらしてある」(評:管啓次郎明治大学教授)

エイズ禍 母の決意を子に/「アフリカ文学」新たなうねり

(読売新聞2013年9月2日)
大池真知子著「エイズと文学 アフリカの女たちが書く性、愛、死」の紹介記事
「親戚から強要された結婚で夫から感染、3人の娘を残して亡くなった女性は、病にも屈することのない強い思いを書き残している。〈私は意思を貫いてあなたの父親と別れ、実家に戻った。もちろんあなたたち子供も一緒だった。私は勉強したいのだと両親に訴えた。(中略)だから忘れないで。私が下した決意が、私たちを、現在の私たちにしたものだということを。私は自活し、子供たちを養うことができる〉」
エイズで夫を亡くし、自身も免疫力低下に伴う様々な感染症に苦しみながら、裁縫で3人の娘を育てている母親は、こうつづった。〈時が過ぎて健康が悪化し、白血球が破壊され、もっとひどい病気になったとしても、私の闘いは続く。(中略)私の祈りと信仰でもって、私は神が与えた時まで生き続ける。生きのびたい。私は健康を神に託す。私が呪術にかけられたなんて言わないで。私はHIVに感染しているのだから〉」(西田朋子記者)

用語解説「リーマン・ショック

(読売新聞2013年9月14日)
「米大手証券の「リーマン・ブラザーズ」が2008年9月15日、米史上最大の約64兆円の負債を抱え、米連邦破産法11章(日本の民事再生法に相当)の適用を申請し、経営破綻した。低所得者向け住宅融資「サブプライムローン」が回収できなくなり、不良債権化した/証券化されて世界各地で販売されていたため、世界の金融機関に危機が飛び火し、金融収縮や株価暴落など世界的な金融危機に発展した。自動車や電機など輸出企業の業績悪化などで、日本経済にも戦後最大級の打撃を与えた」

スター競演 アジア同日放送/日テレ系ドラマ「金田一少年の事件簿

(読売新聞2012年11月16日)
「櫨山プロデューサーは「日本は決まった大きさのパイを奪い合う社会になっている気がする。中国はパイの数を増やそうとし、台湾、韓国がそれをチャンスと捉えている」と、刺激を受けた様子だった」

憲法改正が適切」前内閣法制局長官 集団的自衛権行使、解釈見直しでは困難 最高裁判事就任で

MSN産経ニュース2013.8.20 23:10 http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130820/trl13082023120007-n1.htm
内閣法制局長官から最高裁判事に任命された山本庸幸(つねゆき)氏(63)が20日、最高裁で会見し、政府解釈の見直しで集団的自衛権の行使を認めることは「非常に難しいと思う」と述べ、「完全な集団的自衛権を実現するためには、憲法改正をした方が適切だ」との見解を示した。最高裁判事としては異例の発言。/政府は今年8月、山本氏の後任に政府解釈見直しに前向きな小松一郎前駐仏大使を起用。「有識者懇談会における議論を踏まえて対応を改めて検討したい」とする答弁書閣議決定し、今後の行使容認の可能性に含みを持たせている。/山本氏は会見で、これまで憲法9条との関係で「わが国自身が攻撃されたときは例外的に反撃が許されると解釈されてきた」と指摘した。/憲法改正の是非については「国民の選択」とした上で、「法規範が現状に合わなくなったのであれば、法規範を改正するのがクリアな解決だ」と話した。/山本氏は定年退官した竹内行夫氏の後任。京大卒業後、昭和48年通商産業省(現経済産業省)に入省。平成23年12月から内閣法制局長官を務めた」
(この発言はターニングポイントの一つとして言及されることになるだろう。)

「書評」中島岳志著「血盟団事件

(2013年10月20日読売新聞)
「若者たちが平然と、人間を殺せるのはどういう場合か。世界は不正で間違っている。その邪悪を自分が犠牲となって取り除こうというヒロイズム。そしてその行為が、純粋で正しいと保証してくれるカリスマ的指導者がいる場合だ。血盟団がこの点でオウムと、そしてアルカイダと、酷似していることに驚かされる。/容赦ない市場経済と極端な貧富の格差。政党政治の無能。地方の荒廃と爛熟する文化。日蓮主義は天皇を中心とする国体賛美と結びつき、直接行動で現状を劇的に転換する、空想的で理想主義的な暴力を帰結した。このメカニズムを熟知しておくことが、最良のワクチンになるだろう」(評・橋爪大三郎氏)

自然と共に 想像を超えた美/吉岡徳仁さん個展

(2013年読売新聞11月8日)
「会場には「トルネード」と題した真っ白なストロー塊が、あちこちに積まれている。クラシック音楽を聴いてプールの中で成長するクリスタルの結晶の絵画のほか、バラの生花や糸を骨組みにした椅子に結晶を生成させた彫刻などが点在する。時の流れと自然に造形を委ね、想像を超えた美を追求している。/(吉岡氏は)個展の準備中に東日本大震災に遭遇した。「生きるために自分がやるべきことは何か」を考えた末、「自然と共に作った作品には、自分を超えた表現がある」との製作理念を新たにしたという」(井上晋治記者)